何にお金を出すか
お金を出して買いたいと思うもの、サービスはなんだろう
最近はものをめっきり買わなくなった。 欲しいと思っても一度その購買欲は家まで持って帰ってじっくり考えるようになった。 そうすると大抵の場合欲しいと思わなくなってしまう。
特に買わなくなったものといえばホームセンター等で手に入るような日用品である。 収納を整理するためによく買っていたが、それも昔の話になってしまった。
ではどういったものにならお金を出したいと思うのだろう。
最近買って良かったと思うものは文机である。 アンティークショップで3万円で買った小さくてぼろっちい机だが いたく気に入って使っている。
この文机は昭和初期のものだと言っていた気がするが、無垢の板を使って作った『本物』の家具だと感じる。
僕はこのような『本物』にはお金をかけたいと思うのだろう。
本物とは
最近その辺に売っている家具といえば、MDF等の加工された木質の表面に、木目調のシールを貼ってそれっぽくした ような紛い物が多いように思う。 割合や少ないものでもそのような傾向がある。 大学入学の時に買ってもらった3万くらいのまあまあな本棚も木目調の偽物だった。
大学生活で本が増え、その度にアマゾンで本棚も追加した。 他にも物を整理するためにニトリなんかで引き出し等も買ってきた。
こうして気付いてみれば、僕の部屋は木目調の偽物ばかりであった。
そして何がきっかけともわからないが、本物の家具が欲しくなるようになっていた。 家の荷物を整理して、偽物の家具も全部捨てて、そしてアンティークショップを巡っているうちに出会ったのが 上に書いた文机であった。
滅多に衝動買いはしないのに、この机は店で見た瞬間に惚れ込んでしまって即購入した。
これは多分僕が死ぬまで使えるし、その後も僕の子供が使ってくれるか、気に入らなければまた その辺のアンティークショップに展示されてそのうち誰かの家にころがりこむことになるだろう。
おもうに本物とは、世代を超えて大事にされるだけの丈夫さがあるものである。 それは物理的な丈夫さでもあり、時代を超えても人の心を引きつけるだけの心理的な丈夫さ、 あるいは時間に対する普遍性とも言えるかもしれない。
本物にはお金を出す価値があるのだろう。